息子は幼稚園くらいの
頃から絵が苦手で、特に滑らかな曲線は大の苦手だった。それでも大きな画用紙いっぱいを使って何とか直線多めのカクカクした絵を描いていた。
そういう事が何かに影響するという感覚もなく、小学生になった。
小学一年生が最初に習う事。ひらがな。ここでかなり困った。ひらがなは曲線が多いのである。しかもノートの枠は小さい。
昆虫が好きだったので、図鑑からカタカナやひらがなの読みは馴染みがあったのだけれど、ひらがなを改めて書くことはあまりなかった。
宿題のノートは赤ペンだらけ。字の形が崩れていると修正もされずに?マーク。「丁寧に書きなさい。」「枠からはみ出ないように。」しまいには「何のことですか?」
散々ダメ出しをくらい、ただでさえ苦手なひらがなの宿題は苦痛でしかなかった。それでも、親子で時には喧嘩して時には泣きながら、時に夜遅くまでかかってなんとか仕上げた。
それでもなかなか努力は認めてもらえなかった。先生に会う度「字を丁寧に書くように言ってください」「他の子はほとんど書けるのにくとせがいつまで経っても書けないんですよ」保護者に言うくらいだから、本人にはもっと強いプレッシャーで言っていたのだと思う。
高校生になった今、別に上手な字でもないけれど、読める程度の字は書けている。
あの頃、無理無理ひらがなの宿題をさせなくても良かったんだと、後々息子に申し訳ない気持ちになった。
必ずしも字を書かなくても今の時代パソコンやスマホもある。そういう風に発想の転換をしたっていい。今なら自信を持って彼を守ってあげられるのに! gonkaka