娘の小学校低学年時の担任は、漢字の宿題に厳しい先生だった。小さいうちに、漢字を正確に綺麗に書く習慣をつけてくださるのはありがたいことだ。
しかし、手先が不器用な娘にとってはなかなかハードルの高い宿題だった。
同じ漢字を繰り返し書いたノートは、先生から赤ペンでぎっしり直されていた。
直しても直しても丸はつかず、消しゴムで消し続けると汚くなったり破れたり。
そこで、先生に娘の困りや苦手をお話し、漢字の宿題の内容は私が考えた別メニューでお願いした。
いろいろ試した結果、漢字を沢山書いても娘にとっては苦痛で覚えられないことがわかった。
そこで、最終的には次の二点を先生にお伝えしご協力をお願いした。
・ ノートのマス目より大きな枠に漢字を一回ずつ書き、苦手な漢字は二回繰り返す方法に変更。
・娘の書いた漢字の形が悪くても先生が直すのは一回だけで、直した後は上手に書けていなくても必ず丸をしてもらうこと。
この勉強方法のおかげで、漢字のテストもずいぶんよくなった。
ただ、この方法は良いことばかりではなかった。宿題を回収する時に、娘の漢字ノートを見たクラスメートから「(みんなと違う簡単な宿題で)ずるい」と言われたそうだ。
子どもたちが学びやすい勉強方法は、みな同じではない。
子どもたちの困りの有無に関わらず、学校側は宿題の内容に幅を持たせて、その子どもに合った宿題にしてほしい。そうすれば、毎日の宿題に困っている親子も前向きに宿題に取り組め、その子の学ぶ力を育ててあげられるのではと思う。(広報誌より抜粋) sakura